[Interview] Hollow Suns

アンダーグラウンドなシーンで活躍しつつも、大きなステージに映えるようなスケールのロックサウンドを鳴らす、東京のオルタナ・パンクバンド、Hollow Suns。バンドの新たな幕開けとも言える4曲入りの音源、”Hollow Suns II” EPを6/7にリリースする予定です。

今回はリリースに先駆けて、メンバーの中心人物であり、いくつかのバンドを含めた様々な活動でパンク・ハードコアシーンに長年関わってきているBONE$こと土肥さんに、メールでインタビューに答えていただきました。

(Interview by 3104punx)

Hollow Suns are;
Shuhei Dohi (Vo/Gt) – DOGGY HOOD$ / AS WE LET GO
Tsubasa Takayama(Ba) – ex Number Nine
Tatsuru Eguchi (Dr) – CASTAWAY

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はじめに自己紹介をお願いします。

ボーカル&ギター シュウヘイ ドヒ aka BONE$です。どうぞよろしく。

 

この度はリリースおめでとうございます。一番最初に突っ込みたいのは、インパクトのデカいEP タイトルなんですが、どういった意図が込められているんですか?

前作の1st EPはセルフタイトルの作品でした。収録内容は3曲だったので、自分の中ではEPというよりデモに近いニュアンスなんですよね。

Hollow Sunsは僕がいるせいか、いわゆる同期のバンドより新人感が薄いみたいなんですけど、まだまだ駆け出しのバンドだと思ってまして。「これはまだ序章だ」という意味も込めて序章第二部…二部 = ツー = ”Hollow Suns II”だな!となったわけです。

なので1stと2ndは2つで1作という意識はあります。アートワークもあえて同じデザインの色違いにしました。2枚聴くと今のライブセットも網羅できるんで、合わせて聴いてほしいんです。

あと単純にパンクスたるもの普通じゃつまらんという、拗らせ精神からきた「バンドのくせにツーとか言ったらクソやばくね?」という遊び心もありますかね。ひとヒネリってやつかな(笑)

 

前回の音源リリース時と比べるとメンバーが変わっていますよね。そのメンバーの変化が、音源に何か影響を及ぼしていますか?
音楽性の面で意識的に変化させようとトライしたことがあれ ば、合わせて教えて欲しいです。

新しいベースとして元Number Nine(大阪のハードコアバンド)でギタリストだった翼が加入したのは1番大きな変化でしたね。ぶっちゃけ前作はベーシスト不在で、弦楽器は僕が全部担当したので、専任がいるって言うのは大きな変化だった。
曲は彼が加入する前に既にあったものがほとんどでしたが、彼も音楽の掘りは深いので、ディスカッションして曲をブラッシュアップしていきました。そこはかなり大きいですね。

1stは何から何まで初めての作業だったので不安でいっぱいの中作った感じでした。だから未熟な部分が多い。フレーズやコードを詰めすぎたり、無理なキー設定などがあったという反省もあって今回はそれを改善した感じですね。レコーディングも前作の作業で経験値が溜まってたんでスムーズに出来たと思うな。

ソングライティングではシンプル&キャッチーな曲の中にこだわりを詰め込むということが要になったと思う。だからリフやベースライン、リズムの配置、ドラムフィル、そしてメロはかなり非凡に仕上がったと思ってます。

 

これまでライブで音源に収録されていない新曲を何曲かプレイされていましたが、今回音源を作るに当たって、新たに何曲ぐらいの新曲を作りましたか? 
それぞれの曲ができた時期なんかも教えて欲しいです。

ライブでずっとプレイしていたのは後半の2曲”Caller”と”Longest Night”で、書き足したのは前半の2曲”Drift Me Off”と”Out Of Touch”ですね。

”Caller”と”Longest Night”は1st出し終わったあたりでライブセットに組み込んでたと思います。だから1年半ほど前に出来た曲なのかな。さすがに1stの3曲とカバーだけじゃライブずっとできないでしょということで、結構早めに作ったと記憶してます(笑)

ソングライティングは止まらず常に行っていて”Out Of Touch”は翼が上京する前からあったはず。最後に書いたのは”Drift Me Off”でこれは去年の秋あたりかな。

 

上記でもタイトルの上がった曲、”Drift Me Off”は、先行公開という形でをMVを発表されていますが、ビデオの質感を決めるにあたって意識したテーマのようなものってあったりするんですか?

前回の”Chasing Time”のビデオも僕がディレクターとして舵をとって、テクニックのあるクリエイターと一緒に映像を作りました。チームの中心になってくれているのは安積 優さんという方で、The Novembersなんかの映像を手がけてます。彼女は僕の高校生の頃からの友人で、それだけに話が早いところも多く、すごい助かってます。

“Drift Me Off”の曲全体のテーマは「捉えきれない感情」というところにあって、それを映像にしたかった。だから全体がブレていて、顔がよく見えない表現になってます。そして青一色で始まったバンドが、ズバーン!と真っ赤に変わるっていう。まさに第二部の幕開け!っていう雰囲気を骨太に見せたかったんです。ビデオの仕上がりには大満足で、頭の中の映像をそのまま具現化してもらえたと思ってます。

僕はHip HopやR&Bが大好きで新しいビデオが出るたびにチェック毎日チェックしていて、ロック以外の音楽にもかなり影響受けてます。これからアップされるMVは「ケンドリックラマーみたいにして欲しい!」とか言って打ち合わせしてました。そっちも楽しみにして欲しい。今回は収録曲全曲ビデオを作る予定なんでツアーが終わるまで目を離さないでくれたら嬉しいですね。

 

みなさん、様々な音楽的バックグラウンドを持っていると思いますが、この音源を作るにあたって、またHollow Sunsというバンドでプレイするにあたって、影響を受けている音楽はどういったものですか?

影響ね〜、それを語りだすと終わりが無いけど…とにかくこのバンドはオタクの集まりっていうことだけは断言できるっす(笑) 故に影響は山のようにあって、これだ!というものは言い切れないんですけど。多様な影響の中で常にギリギリの最大公約数を探している感じです。

端的にいうと「ハードコアのグルーヴ、メロディックパンクのフックに、90~00年代のオルタナティブロックを持ち込み、現代的に昇華」from 公式バイオグラフィーって感じなんですが(笑)

Jimmy Eat World、Foo Fighters、Weezer、Smashing Pumpkins、Nirvanaなんかのパンクオルタナロックをベースに、Bane、Down To Nothing、Trapped Under Iceのぶっとい感じと、Hot Water Music、The Gaslight Anthemの熱苦しい感じに、Title FightやBasementなどのモダングランジ感、そこにさらにRage Against The Machine、後期Metallica、Every Time I DieのビッグリフにPolar Bear Club、Balance And Composureテイストをぶちこんd、、、あ、すいません取り乱しました。

まぁ、簡単に言ってしまうといつも「もしJEWにJames Headfieldが入って、それをChuck Raganが歌ったらくそやべぇ〜な〜」とかそういうアホみたいな想像しながらニヤついて曲つくってる感じです。危ない。

 

メロディーのあるバンドということで、当然歌う内容にも意識が向かうと思うんですが、今作品では何か一つのテーマのようなものがありますか? 歌詞の内容に踏み込んで教えて欲しいです。

歌っている内容は今の所一環していて、自分がどう理想を描いて現実と対峙していくか。そのときどう感じて、どうするのか。基本的に苦しさだったり、無情や憤りを歌ってます。
前作は自分の中でも再スタートという意味合いが強かったので、その中での苦悩や不安がトピックでした。今作はその呪縛は抜けて、次に生まれた悩みを歌ってる感じです。

パーソナルなことが主題ですが、悩みや悶々とした感情っていうのは僕以外の人にも共感できる部分があると思ってます。だから歌詞も読んでほしいです。

今作で特に気に入ってる歌詞は”Longest Night”の歌詞で「悩んでいるけど進むしかない、悩み事が尽きない夜は凄く長く感じるけど、それはここで終わりだ」っていう内容になってます。希望を持って終わる歌詞は初挑戦だったので印象に残ってるんですよね。

Hollow Sunsの歌詞は全部Kensuke Yamamotoに横についてもらって、彼ともディスカッションしながら仕上げていくんですけど「新しい一面だね」って言われたのもあるのかも。「Hey!!」とかさわやかなシンガロングいれちゃってるのも初挑戦なのかな。

 

みなさんは社会人として働きながらバンド活動を続けていらっしゃいますよね? 同じような境遇のバンドの中には、地元で1ヶ月か2ヶ月に1本ぐらいのペースでライブをしながら活動を続けているバンドもいますが、今回リリースツアーとして全国各地でたくさんの本数のライブをやる 思いってどういったことがあるんですか?

僕やメンバーはそれぞれずっとバンドをやってきて、ハードコアシーン、メロディックシーン、アンダーグランド、オーバーグランド、国内外問わずいろんなバンドや人と接する中で、色々な価値観に触れてきたと思っていて。

その中で1つ共通して感じるのは、皆自分がTRUEだと思ったことをひたすらに体現しているということなんですよ。 平日もガンガン地方回るバンドもいるし、本数少なくても尋常じゃないテンションでライブするバンドもいるし、家に帰るのは半年後だね!ていう外国のバンドもいる。形は人それぞれですが情熱は皆すごいし、そこに優劣は無いです。

そんな中「じゃあHollow SunsのTRUEってなに?」ってなったんですよね。その結論が今回はツアーでした。

いい曲が書けたという自負はあって、それをがっつり届けるにはツアーが一番TRUEだと思ったのでこの日程を組みました。働きながらこなすのはしんどいですが、やりがいは感じます。日程もまだ折り返しまでしか出てないので秋から冬にかけての日程もチェックしてほしいっす。

 

Hollow Sunsって、その音楽性から「キャッチー」とか「ノリやすい」って言葉よりも、「渋い」とか「圧倒される」みたいな言葉で形容されがちですけど、そのあたりを皆さんはどう感じていらっしゃいますか? お客さんに強制するのも違うと思いますが、ライブでこんな風に楽し んでくれたら嬉しいみたいなのもあれば教えてください。

「渋い」「圧倒される」という風に形容されるのは素直に嬉しいです。ただあんまりその言葉にとらわれないでほしいと言うのはあるかな。

語弊を恐れず言い切りたいのはHollow Sunsはパンクバンドだと言うことです。僕らは僕らなりにパンクを突き詰めた結果こうなってる。

だからライブは手を上げて、声を上げて、その気があったらステージに上がって楽しんでくれたら最高です。そんなツアーになったらいいなと思ってます。

 

ありがとうございます。最後に自由にメッセージをどうぞ!

良い音源ができましたので、是非手に取って聴いて欲しいっす。そして毎回良いライブをお客さんや対バンと一緒に作れたらと思います。ツアーで会いましょう!よろしく!

 

[Release Info]

タイトル: “Hollow Suns II” EP
リリース日: 2017/6/7
レーベル: Self Release
購入できる場所: Tower Record, Disk Unionなどの大手小売店、Nerds Recordなどの専門店

 

[Live Info]

2017/6/1(木)青森 @ROXX
2017/6/3(土)東京 @ANTIKNOCK
2017/6/9(金)神奈川 @横浜B.B.STREET
2017/6/10(土)東京 @新宿NINESPICES
2017/6/18(日)東京 @下北沢ERA
2017/6/24(土)埼玉 @KUMAGAYA BLUE FOREST
2017/6/25(日)栃木 @宇都宮HELLO DOLLY
2017/7/9(日)東京 @新宿NINESPICES
2017/7/15(土)神奈川 @横須賀かぼちゃ屋
2017/7/23(日)茨城 @EVIL GARAGE
2017/7/28(金)静岡 @STUDIO O&K
2017/7/29(土)石川 @金沢gateBlack
2017/9/16(土)岡山 @津山K2
2017/9/17(日)京都 @LIVE HOUSE GATTACA

 

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