[Review] Tancred “Tancred”

Tancred-300x300Release Date: 2013/10/15
Label: Topshelf Records

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Now,NowのメンバーJess AbbottのソロユニットTancred。今回のアルバム『Tancred』ではこれまでのアルバムの雰囲気と少し異なり確実に彼女の良さが増しているアルバムとなっている。

『Radio』では部屋でひとり思いにふけた少女がギターを鳴らしている情景が思い浮かび、『twelve』ではそんな少女の内に秘めた思いが露わになったかのような曲になっている。『The Worst Kind』の哀愁あるピアノの弾き語りは静かであるが、彼女のもつ強さがひしひしと伝わってくる。

そして、『Topshelf Records 2013 Sampler』にも収録されている、1曲目『The Ring』をここで紹介しておきたい。これは彼女のこれまでに見なかった自由奔放で愛らしい部分が感じられ、尚且つ少し寂しそうでつい放っておけなくなるような彼女の魅力が存分に引き出されている。しかしこの曲はサンプラーで聴くだけでは良さに欠けてしまうだろう。今回のアルバムを通して聴いたあとにもう一度聴いてみてほしい。上記で紹介したような一面や他の曲でみる彼女の様々な一面を知った上で聴く『The Ring』は別物だ。そしてこの曲が一層愛らしく思え、自分のなかにしまっておきたくなるような大切な曲に感じてくるだろう。

一人の少女が嬉しくて舞い上がっていたり寂しくなって泣き出しそうになっていたり、ときには懸命に何かに向き合っていたり・・・・そんな少女の場面場面が曲になっているような今回のアルバム。支えたくなるようなか弱さをみせたかと思えば、凛としていて強い一面も見せる彼女に私たちは振り回され、どんどん彼女の魅力に惹きつけられていくことだろう。

(Written by 北村奈都樹 [Twitter])

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