周りを見渡せばたくさんの観客が拳を突き上げシンガロングし、ダイブをする。ライブでは毎回必ずそんな光景をみることができる。それがメロディックパンクバンド、Four Tomorrowだ。昨年の9月にJoyce Manorとの共演を果たし、さらに今年4月に行われるRVIVRの来日ツアーでは、4月19日の長野飯田CANVAS、4月25日の東京西荻窪FLATでの公演に出演が予定されている。今回は海外バンドとのライブも多い、そんな彼らにインタビューをした。 (Interviewer: 北村 奈都樹)
Four Tomorrow are;
Gt/Vo. ヤマオカヒロキ
Gt/Cho.ワタナベナオキ
Ba/Vo. ナガサワノリアキ
Dr/Vo. ミツヤスタカヒロ
―まずはじめに、バンドができたきっかけはなんですか?
ミツヤス:元々、ヤマ(ヤマオカ)と俺が中学の同級生で、ヤマが大学生時代にやっていたSIDE GORIってバンドをよく観に行ってたんだけど、そのバンドが解散したときに、新しいバンドを組もうってなったんだよね。もう15年ぐらい前だね。
―じゃあ、メンバー全員が知り合いだったわけではないんですか?
ヤマオカ:俺が、ふたり(ナガサワ、ワタナベ)とライブハウスで知り合いだったんだよね。まずはナガサワと3人で組んでて、ナオキ(ワタナベ)が後から入ってきたって感じかな。
―プロフィールみて思ったんですけど、なんでワタナベさんだけがコーラスなんですか?笑
ワタナベ:逆になんでみんなボーカルなんですか?ってかんじだけどね。笑
ミツヤス:なんでコーラスになったんだっけ?
ヤマオカ:こいつだけ歌ってないんだよね笑 ナオキが歌うとこを考えるんだけど、うまくいかないんだよね笑
ナガサワ:歌わせるとレコーディング相当時間かかるんだよ、こいつ。
「だめだ、もう一回だ・・・。」とか言って笑
―そうなんですね笑 バンド名の由来はなんですか?
ミツヤス:うーん、なんだろう。当初、全然決まらなかったよね。いろいろ案を出し合うと決まらないんだよね。
ナガサワ:全然決まらなくて、ある日突然、ヒロキくん(ヤマオカ)が「決めた!Four tomorrowにする!」って言って決まった。当時、ヒロキくんはDILLINGER FOURの「FOUR」とCrimpshrineの「tomorrow」って曲からバンド名つけたって言ってたんだよ。
ヤマオカ:俺は全然覚えてないんだけど笑
―FourとForってよく間違えられませんか?私、最近まで間違えてて笑
ミツヤス:最初の頃はよくあったよね。今は少なくなったよ。
ワタナベ:っていうかさ、tomorrowの「m」をふたつにして「r」をひとつにして「FOUR TOMMOROW」にしちゃう人ってツッコミずらいよね。学がないのかなって笑
一同:笑
ミツヤス:パスを貰ったときたまにあるよね。書いた人が誰かわかんないから言いづらいんだよね。怖そうな人かもしれないし…笑
―今と昔では好きな音楽は変わりましたか?
ナガサワ:俺は全然違うね。当時は狭くて、ハイスタとか邦楽ばっかりで。でもバンド組んでから、みんなから教えてもらったんだ。ミックステープ作ってくれたよね。いろんなミックステープを持ってきてくれて、テープに「これを聴けVo3」とか書いてあってね。それはVo10くらいまで持ってる。「女の子のボーカル編」とか「ポップパンク編」とかもあった。
ミツヤス:俺は昔はメロコアとかばっかり聴いてたけど、今は聴かなくなったかな。ハイスタ以外は。あとは、レコード屋で働いていたこともあっていろいろ聴くようになったけど、中でも嫌いだった電子音楽をよく聴くようになったな。アンビエントとかエレクトロニカとか。
ヤマオカ:あんまり極端に変わったってことはないかな。昔のロックも聴くし、パンクも聴くし。少しずつつまみ食いをしてて。極端にテクノとかヒップホップを聴くってことはないけど、2人(ナガサワ、ミツヤス)に比べたら雑食かな。
ワタナベ:俺もどっちかって言ったら雑食で・・・。ビートルズとかも好きだし。ハイスタも好きだし。
―憧れのバンドはいましたか?
ヤマオカ:憧れっていうか、DILLINGER FOURとかCrimpshrine、No ideaレコード周辺のバンドは昔からずっと好きで、これらはいちばんやりたいバンドの形だったかな。
―ライブハウスでいろんなバンドを見ていると思いますが、どんなバンドに刺激を受けましたか?
ヤマオカ:このバンドにっていうのはないかな。どのバンドにも刺激をもらってるからね。
ナガサワ:でもここ3、4年思うのは、俺たちが始める前から今でも続けてる年上のバンドはすごいなあって思う。
―Four tomorrowはよく企画をやるイメージですが、大合奏会(*)は特に大きな企画でしたよね。
ナガサワ:元は合奏会って企画をやっててその集大成が大合奏会なんだよね。
ミツヤス:ヤマ(ヤマオカ)が企画を立てるのが好きなんだ。大合奏会は6回ぐらいやってたね。それも最初はほとんど対外的な交渉はヤマ(ヤマオカ)がやっていたよ。秋葉原のリボレ(スタジオ)で以前働いていたやっさん(essentialのkey.担当)って人が結構えらい人で、その人の協力もあってあそこまで大きい企画になったかな。
―今回のRVIVRの来日ツアーはどういったきっかけで対バンすることになったんですか?
ヤマオカ:RVIVRツアーはWORTHWHILE WAYがブッキングしてて、WW.Wについては10年前くらいから対バンしたり俺たちの企画で呼んだりもしてて元々のつながりがあって、そのつながりで呼んでもらったって感じかな。
―RVIVRはFour tomorrowのメンバーも大好きとのことですが、影響は受けてますか?
ミツヤス:自分たちの歴史からすると、RVIVRを知ったのは最近だし影響とか衝撃って感じではないかな。こういうとこいい!っていうのはあるけど。衝撃でいうと、個人的にはAgainst Me!の方があったと思う。
ヤマオカ:でもずっと聴いてるから、影響は受けてるんじゃない?確実に俺たちの中に染みこんではいるよね。
―RVIVRとの対バンは緊張しますか?
ヤマオカ:俺たちはしないけどこの人(ナガサワ)はするかも。笑
ナガサワ:俺はいつもライブは緊張してるから、特にってことはないよ。それにアメリカでライブやってから、やべーやつにビビらなくなったかな。本当にボコボコにされたからね……MCで笑 俺、しゃべってナンボだと思ってんのに。俺しゃべりでどうにもなんないと、バンドとして何も機能しないんだなって思って。笑
ミツヤス:初日ライブのMCは壮大にスベってヤバかったよね。
―演奏じゃなくてMC…笑 アメリカツアーもされたとのことですが、アメリカでのライブはどうでしたか?
ナガサワ:アメリカのライブって怖いイメージがあったんけど、全然そんなことなかった。いい時に反応よくて、悪い時に反応が悪いってことはなかったよね。日本に近い雰囲気だったね。
ミツヤス:僕たちのツアーを観に来ていたお客さんが、なんとなく見に来てるってよりも、ちゃんと今日出演してるバンドを見に来てくれてたって感じだったから恵まれてたかな。
―海外のバンドと日本のバンドの違いはなんだと思いますか?
ミツヤス:音は海外の方が全然デカい。来日したバンドに自分の楽器を貸すと音が全然違うんだよ。
―なんで海外は音がそんなに違うんだと思いますか?
ミツヤス:アメリカに行ったらわかるけど、みんなガレージとか家の中とかちょっとした小スペースでライブをやるから、マイクをつけたりしないんだよね。だからみんな音がすごくデカいんだと思う。
―なるほど!では、いろんなライブハウスを回っているなかで、いちばん好きなライブハウスはありましたか?
ヤマオカ:西荻窪Wattsです。なくなっちゃったけど。笑
ミツヤス:それはずるいね。みんなそうだよ。笑 いちばん通ったライブハウスだよね。学生のときに、どうしようもない人たちが平日から来て、ろくにライブも見ないで集まって飲んだりとかして。べろべろになって通報されて警察きたり笑
ヤマオカ:持ち込み禁止の「き」の字もなかったね。俺やきそば食いながらライブみてたもん。笑 いちばん前でライブ見ながらコンビニで買った刺身食ってたときもあったし。笑
ミツヤス:みんな後ろで食ったりしないんだよ、ライブも見たいから笑
―遠慮ないですね笑
ワタナベ:遠慮ないんだよ、この人(ヤマオカ)。ココイチのカレーをテイクアウトして日高屋で食べる人だからね笑
ナガサワ:日高屋でスプーンだけ頼んでたよね。
ヤマオカ:それはもうWattsで培われたね。Wattsがつくったものだね。笑
ミツヤス:もう、いい迷惑だよ、一緒にいる人は笑
一同:笑
―それではインタビューも終盤なので、ライブを楽しみにしてるたくさんのファンに一言ずつお願いします。
一同:お決まりのやつキター!(笑)
ナガサワ:ファンなんてたくさんいねぇよ!!!笑
ミツヤス:俺たちを好きって言ってくれる人は大体友達だからなあ……笑 じゃあ、ナガサワくんがビシッと決めるのでもう一回聞いてみてくれる?
一同:笑
―それでは、仕切り直して……。インタビューも終盤なので、ライブを楽しみにしているファンに一言ずつお願いします!笑
ナガサワ: やっぱり自信ある音源を作ってるけどぉー、俺たちの良さはライブにあると思うんでぇ…現場に足運んでほしいっす!
ヤマオカ: 僕らがバンドできるのもみんながいるからだから……
一同:爆笑
ナガサワ:ぜってぇー思ってねぇだろ!!!!笑
ミツヤス:でもホントにライブハウスに足を運んでくれる皆さんに感謝してます。ありがとう!
*大合奏会:秋葉原GOODMAN、STUDIO REVOLE、CAFE CAPPUCCINOを会場とし、40バンド以上が出演していたFour tomorrow主催の企画。企画を始めた当初は、こういった練習スタジオ主体のサーキットは稀有で、特にメジャーでもないバンドが集まってこのようなイベントを行うこと自体、かなりセンセーショナルだった。2006年から2011年まで開催。