[Disk Review] Three Man Cannon “Pretty Many People”

Three Man Cannon “Pretty Many People”Release Date: 2014/05/27
Label: Lame-O Records
Hometown: Philadelphia

Facebook / full stream (Lame-O Records bandcamp)

等身大で、青い。そんなバンドは数多くいるが、彼らはそれが奥底から滲み出てきている。もっと言ってしまえば、滲み出てきてしまう。と言ったほうが正しいかもしれない。

これまで累計7000枚をセールスしているTigers Jawの元メンバーPat Brier(Dr)とDennis Mishko(bass)が所属し、注目を集めているバンドThree Man Cannon。そんな彼らが5月27日2ndアルバム『Pretty Many People』をリリースした。

これまでの彼らの作品は、パンク、エモ、フォークを感じるようなサウンドと等身大で青いボーカルが好印象だった。そこには、サウンドは異なるが、青春味のあるTigers Jawと共通するものがあったし、そんな彼らの音楽性にPatとDennisは惹かれたのではないだろうかと思う。

そんな作品と比べると本作はこれまでになく幻想的だ。リバーブの効いたボーカルやどこか懐かしく儚さのあるシンセ。そして、フォークやエモといった要素によって、まるで木漏れ日のような、わずかな光や輝きすらも感じた。

そして、そんななかでも、やはり彼らの心情はひしひしと伝わってきた。しかし、本作で感じるのは前向きな彼らではない。ダークでネガティブな部分だ。4曲目“To Sleep”でのボーカルはこれまでよりもずっと叙情的。それから、切なく哀愁あるシンセ、それとは対照的なポップなシンセが重なり合い、曲のさみしさや儚さがより際立っている。そして、10曲目“Baby”ではギターサウンドが繊細な音から、歪のある音へ変わっていく場面が印象的。そこからは、何かに悩み、揺れ動く彼らの心情がみえてくるのだ。

これまでの作品とは異なるサウンドである本作。しかし、どんなにサウンドが変わっても、彼らの青さや等身大な部分はどうしても滲み出てきてしまう。そして、そんな彼らに、いじらしさを感じつつも、私は共感しているのである。

(Written by 北村奈都樹 [Twitter])

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