[Disk Review] Joyce Manor “Never Hungover Again”

joyce-manor-never-hungover-againRelease Date: 2014/07/22
Label: Epitaph Records
Hometown: Torrance, CA

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これまで、私にとってJoyce Manorのイメージはどこまでも前向きだった。ダイナミックかつタイトなドラム、軽快かつ躍動感ある低音ベース、前向きなギターフレーズ…それが彼ららしさのようにも思っていた。しかし、今、そのイメージは少しずつ変わりつつある。2年ぶりにリリースされたJoyce Manor渾身の新作『Never Hungover Again』。本作では彼らの悩みや葛藤というこれまでになかった陰の要素がサウンドにはっきりと表されているのだ。

例えば「Falling Love Again」では、憂鬱さを表現したかのような暗く重いベースラインと物寂しげなギターフレーズに寂しさを感じ、一音一音に重みがあるドラムの力強さに、胸を打たりした。それからアップテンポな曲調である「In The Army Now」でも彼らの陰の要素が露わにされている。やはりダイナミックなドラム、躍動感あるベースには、彼ららしい前向きさを感じた。けれども、その上にメロディックで哀愁あるギターフレーズ、エモーショナルなボーカルが乗り、曲が一気にシリアスになっていく。そして、そこには、苦しみながらも前に突き進もうとする彼らの衝動や熱を感じるのだ。

昨年ジャパンツアーを成功させたJoyce Manor。顔をくしゃくしゃにしながら全力で必死に歌い、演奏する彼らの姿は、いわゆる“エモさ”を感じたものだった。同時にポジティブなイメージの強い彼らが、こういった面を持っていることに驚いたのを覚えている。そして、あのライブで感じた“エモさ”はシリアスで情緒的な本作にも通ずるものがあった。

本作を通して、聴き手はきっと新たな彼らを知ることとなるだろう。しかし、決してこれまでにあった前向きさがなくなったわけではない。むしろ、シリアスで情緒的な要素が表現されることで、その前向きさにさらなる説得力が増しているのだ。

そんな本作は、彼ら自身の感情を最も掘り下げた作品となったように思う。そして、そんな作品から見える、彼らのひたすら突き進む姿に、私は圧倒され、いつの間にか涙が出そうになっている。

(Written by 北村奈都樹 [Twitter])

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