[Disk Review] Heart To Heart “Dulce”

Heart to HeartRelease Date: 2014/06/17
Label: Pure Noise Records
Hometown: Pismo Beach, CA

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今、カリフォルニアの若手パンクシーンが面白い。90年代はメロコア、00年代はDrive-Thru Recordsと、「カリフォルニア=○○」というイメージで語られることが多かった土地。00年代後期~10年代初期では、太陽やビーチのイメージが手伝ってか、ゴキゲンなポップパンクバンドばかりがクローズアップされた。でも、今のカリフォルニアの若手シーンを見渡せば、The Story So Far、Second To Last、Seahaven、The Sheds、The American Sceneと、見事なまでにそれぞれにしか出せない音を鳴らすバンドばかり。今回紹介するHeart To Heartも、間違いなくそういったカリフォルニアのシーンを面白くしているバンドの一つである。

元々はThe Story So FarやSecond To Lastと同様、いわゆるポップパンクに分類される音を鳴らすバンドだった彼ら。ただ、リリースを重ねるごとにその力強さに磨きがかかる。そして、2012年にAnchor Eighty Four RecordsからリリースされたS/Tアルバムで、バンドとしての確固たる方向性が定まることになる。湿り気のあるストロングスタイルのパンクロック。多彩なテイストを曲ごとに取り入れながらも、アルバムを通してズバっと太い芯が通ったこのアルバムを聞いて、同世代バンドから頭一つ飛び出たセンスの高さを感じたのは自分だけじゃないと思う。

そして今年、”Dulce”をリリース。リリースレーベルはカリフォルニアを拠点に今や力のある数多くのバンドが所属するレーベルに成長したPure Noise Records、なぜ今まで所属していなかったのかが不思議に思えるほどバンドにマッチしたレーベルである。そして、リリース後にWarped Tourへの参加が決まった、まさに万全の状態でと言えるリリースだ。

非や哀、憎しみなどを感じさせる湿り気と、それらを振り払うかのようなストロングなスタイルはそのままに、この作品ではさらに多くの顔を見せてくれる。メロディックハードコアとかポストハードコアとか呼ばれる、いわば流行りの音楽に寄せていったとも言えるが、彼らのこれまでの作品を聞いてきたファンからすれば、行き着くべきして行き着いたバンドのストレートな表現方法だと感じることだろう。

Transitのようなエモ/ポップでまとめた#4″Firefly”があるかと思えば、Man Overboardを感じるサビからスクリームで畳み掛けるラストへとつながる#5″Hellbound”があったり、もはやFinchのようなメジャーバンド級の完成度のロックナンバー#7″Dulce”もあって、とにかく表現の幅が格段に広がっているのだ。曲によって、リードボーカルを取るメンバーが入れ替わったり、交互に掛け合うコーラスワークを楽しめたりするのも、このバンドならではのポイント。

安心して聴ける完成度を誇りながら、なおかつ芯から震えさせられるような力強さをストレートに伝えてくれる。流行りのサウンドやうわべのテクニックだけでスマッシュヒットを狙うようなバンドとは一線を隠す、若手ながらいぶし銀の風格漂うリアルなバンド。全パンクロック好きに聞いて欲しい作品です。

(Written by 3104punx [Twitter])

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