[Disk Review] Banner Pilot “Souvenir”

Banner Pilot “Souvenir”Release Date: 2014/04/17
Label: Fat Wreck Chords
Hometown: Minneapolis, MN

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最近では近代化が進み、アメリカ有数の文化の拠点となりつつもある中西部の都市、ミネアポリス。それでいて、中西部に位置するという土地柄から田舎っぽいイメージを払拭できない、そんな都市を故郷とするのが、昔ながらの古き良きパンクロックを現代においてもかき鳴らしているBanner Pilotだ。彼らがこの4月にリリースした通算4枚目のフルアルバム“Souvenir”をレビュー。

すでにこのバンドのことを知っているリスナーは、1曲目”Modern Shakes”の出だしの声に驚くことになるだろう。聞こえてくるのは、Banner PilotをBanner Pilotたらしめている、ボーカルNickの声ではないのだ。機械で作ったのかとさえ思う、あの特徴的な声から始まらなくなくて不意を突かれるが、心配ご無用。すぐに、あのNickの声が重なってくる。

曲調についても、出だし1,2曲のテンポには驚かされることになる。今までの作品にはなかった、着実な印象を抱くミドルテンポの曲での幕開け。全体を通しても、今までに比べてテンポを抑えた曲が多く収録されていて、バンドとしての新たな試みが見える。とはいっても、聴き進めていけば、やっぱりそこにはBanner Pilotのパンクロックがある。シンプルで力強いパンクロック。

アルバムの初めから終わりまで、どこを切っても似たような曲が並ぶという意味で、「金太郎飴バンド」といったような言われ方をするが、このBanner Pilotもそういったバンドの一つに該当すると思う。シンプルな構成、似たようなフレーズを繰り返し、3つや4つのコードで突き通す。それでも聞いていて味がある、哀愁が染み出してくるのがこのバンドの魅力。

以前の作品と比べてミドルテンポの曲が多いことは上で述べた通りだが、そんな曲の中でも一番の意欲作だと感じるのはとびっきりにメロウな#7″Shoreline”。哀愁に満ちた歌い手の気持ちや、それを引き立てる景色が、まざまざと浮かび上がる名曲。それでいてしっかりと両足を地に付けたような力強さは、Alkaline TrioやThe Lawrence Armsといったバンドに通じるものがある。

そして、Banner Pilotの一番の魅力、それは、曲が持っている熱量。目をふっとつぶれば、そこにはライブの光景が現れる。ギターを低めに掲げて、腕を大げさに上下させて、ギターやベースをジャカジャカ弾き鳴らすメンバー。そして、そんな光景を思い浮かべて、気付けば首を上下に振っている自分がいる。難しいことを考える必要はない。それこそがパンクロック。

(Written by 3104punx [Twitter])

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