[Disk Review] Bane “Don’t Wait Up”

Bane don't wait upRelease Date: 2014/05/13
Label: Equal Vision Records
Hometown: Worcester, MA

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ボストンが誇るハードコアヒーローBaneの、実に9年ぶりとなる新作、”Don’t Wait Up”。悲しいかな、このアルバムがラストアルバムになるということが、制作時点ですでにバンド側から発表されていたが、その分、多くのファンが早く聴きたくてたまらない状態になっていたのは間違いないだろう。

そんなアルバムが、今年の5月にEqual Visionからリリース。Equal Visionといえば、今やスクリーモやポストハードコア系バンドが多く所属するバンドとして知られているが、何を隠そう、Baneの過去のアルバムはすべて、このEqual Visionからのリリース。そういったところからも、Baneというバンドの「まっすぐさ」を感じることができる。

これまでのBaneの曲ではあまり馴染みのなかった、リズミカルでロックロールを感じる展開を見せる#1″Non-Negotiable”だが、後半のメロディックなギターやシンガロングパート、そしてなんといってもボーカルAaronの高音ボイスを聞けば、Baneらしさを感じずにはいられない。ただ、「やっぱりBaneだ」という安心感というよりは、「さらにカッコよくなって帰ってきた」という興奮を覚える。それは、続く#2″All The Way Through”での、いわば「今風」なイントロを聞けば明らかになるだろう。Baneらしさを残しつつも、9年の時を経て、確実に進化した音を聞かせてくれるのである。

やはり特筆すべきは、5分にも渡る壮大なナンバー、#3″Calling Hours”。#1、#2と聞いて新しいBaneに感情が高まりつつあるリスナーを、「I’ve tried!」の歌い出しで一気に興奮の絶頂へと連れていってくれる。これまた今までのBaneの曲にはなかった種類の曲といってしまえばそれまでだが、ラストアルバムということもあって集大成という言葉を当てはめたくなる完成度の高さ。次々とパートを展開していく中で、様々な顔を見せてくれる曲。ゲストボーカル陣も豪華で、Down to Nothing、Terrorで活動するDavid Woodというベテランから、Rotting OutのWalter DelgadoやCode OrangeのReba Meyersといった若手、さらにはHave HeartのPatrick Flynnという地元のレジェンドまで参加している。

アルバム終盤に収録された#11″Wrong Planet”は、それまでのアグレッシブな楽曲から一転、じわじわと感情を染み出させていくようなスローナンバー。こういった叙情的なナンバーこそがBaneの真骨頂だと感じる古くからのリスナーも多いだろう。そしてラストを飾る#12″Final Backward Glance”。攻撃的な始まりだが、ラストパートは再び叙情的な展開を見せる。ラストアルバムのラストナンバー。Finalというワードが入っていたり、最後にはGoodbyeを連呼しているが、決してネガティブな内容ではなく、バンドとしてのスタンスがはっきりと表現された前向きな曲。最後の最後まで、ハードコアヒーローであり続けるんだなと感動する。

一度聞きだしたら最後まで聞かずにいられないアルバムはいくつか存在するが、このアルバムも確実にそういった種類のアルバム。そして、Baneを作り上げる全てのエッセンスが詰まったこの作品は、ラストアルバムにふさわしく、確実にバンド史上最高傑作であると言える。

(Written by 3104punx [Twitter])

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