[Disk Review] And Protector ”Lime Green”

and protectorRelease Date: 2014/10/01
Label: further platonic records
Hometown: Shizuoka, Japan

Official Site / Music

静岡から日本全国に衝撃を与え続けるバンド、And Protectorの2nd EP”Lime Green”。このバンドを紹介しようとすると、必ず一度立ち止まって考えてしまうのが、And Protectorの表現する音楽のジャンル。ただ、エモだとかハードコアだとかいう言葉には捉われず、この「魂の叫び」を感じて欲しい、そう思わずにはいられない作品である。

楽曲の展開からは洋楽からの影響も色濃く出ているが、収録された6曲すべてが日本語詞。一聴した限りでは少し違和感を感じてしまったが、すぐにこのバンドが醸し出す独特の世界観に飲み込まれることになる。時にメロディーに乗せ、時にメロディーを無視して叫ぶ、そんな歌がとても力強く響く。

日本語詞の特徴といえば、母国語がゆえにストレートに思いが届くところと、相反するようだが、直接は表現されていない情景や感情が比喩表現からどんどんと連鎖的にリスナーの頭で広がるところ。And Protectorの歌詞には、この2つの要素がともに含まれていて、それらが相乗効果を生んで感情を刺激する。

等身大な感情をストレートに歌った歌詞に共感するところが多く、ついつい歌詞についての感想ばかり先走ってしまったが、その歌詞や世界観を引き立たせているのは、音楽性の境界を縦横無尽に行き来するオリジナリティー溢れる楽曲である。力強く展開されるドラムのリズムや、叫びと語りが入り混じるボーカルのスタイルからは、一般的に叙情系ハードコアと呼ばれる音楽性を感じるが、ギターとベースが織りなすサウンドは驚くほどにメロディック。刺すように攻撃的な刺激ではなく、興奮を徐々に増幅させていくエネルギーを持った、温かみと奥行きのあるサウンド。ところどころで挿入されるコーラスワークも、それまでの展開で敏感になった心の琴線を激しく震わせる。

マイナスのイメージが強い分、日々の生活においてどうしても自分の中に押しとどめがちな、不満や不安、悲しみといった感情。本当は意を決してそういった感情と向き合えば解決することだったりするのに、行動に移すことに尻込みしてしまうという負のループ。そんなモヤモヤを自分の内から外へ解放する、そのきっかけを与えてくれる圧倒的な熱量を持った作品。肩肘はらず、音楽に身をゆだねよう。

(Written by 3104punx [Twitter])

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

Sponsored Link